今年も残すところ42日(11/20現在)。ぼくのベストアルバム2013を発表します。おそらく世界最速───でも、気が早すぎますよね。

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なんでこんな時期に”ベストアルバム!”などと吠えてるかといえば、すべてはこのIron & Wineの新作『Ghost On Ghost』を手に入れてしまったからなんです。ここ一ヶ月くらい、ベッドに入って眠りにつくまで、ほぼ毎日子守唄がわりに聴いていました。自分が好む音楽のエッセンスが鍋の中でひとつに溶け込んだ”ブイヤベース”。やさしくあたたかく、疲れた中年の心と体を芯から温めてくれる……。彼(サミュエル・ビーム)の最大の魅力はやはり歌声。弾き語り中心の繊細なアルバムも大好きなので、初期の作品も思い出したように聴き返すんだけど、やっぱりこの作品には敵わない。最新作にして最高傑作じゃないでしょうか? 特にM-2「The Desert Babbler」は、レコ部 meets キリンジの時にかけたかったなあ、と後悔しています。

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デヴェンドラ・バンハート『Mala』との出会いもつい最近のこと。『Ghost On Ghost』を買ったあと、ぼくの音楽的嗜好を日々学習している”Amazonパイセン”が「おめえ、これも買った方がいんじゃネ?」って薦めてきたのがキッカケ。Twitterには「(3月発売のアルバムを11月に買ったので)この作品を知らずに八ヶ月ものほほんと暮らしていた自分が恥ずかしい」と呟いたのですが、今でも頬の赤みが取れません。頬といえば。『Mala』って英語で”頬骨”という意味なんですよ。ユニークなタイトルだなあ……とボンヤリ感心していたら、実はセルビア語で”小さい”を指す言葉だそうです。彼が恋人から贈られた指輪に掘られていたこの言葉(親愛なる…みたいな意味もあるそう)にインスパイアされ───ってのがホントの事情。そうか……惚気話か……。でも”Mala=頬骨”のほうが、カエターノとかムタンチスあたりを彷彿とさせる、ヘンテコなサウンドの雰囲気にはぴったりだと思うんだけどな(負け惜しみです)。

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The Leasure Societyのこのアルバムについては、レコ部 meets キリンジでも推薦盤として紹介しましたし、Iron & Wineが出るまではこれが今年のベストアルバムと確信さえしていました。ただ、あらゆる世の音楽には優劣も貴賤も無いですけど、この作品の清々しさや迷いのなさみたいなものが、今はなぜか物足りなく感じたりもして。もちろんそれでも、今年を代表する素晴らしいアルバムだと思います。

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2009年の『Let’s Change the World with Music』以来の新作。前回のアルバムが約八年という蝉の一生並のインターバルでリリースされた作品だったから、今回は四年という時間さえ短く感じたほど。でも、あとから知った情報ですが、もともと10年位前に完成させた後、諸事情でオクラ入りしていた『Devil Came A-Calling』というアルバムが、今になってどういうわけかネット上に流出。それで慌てて正式にリリースしたとか。なんか前作の時も同じような話を聞いた気がするのですが……まあ、こちらとしてはパディの歌が新たに聴けさえすれば、ソファに崩れて咽び泣くだけです。

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実はこのアルバム、現時点ではまだ購入しておりません。それでもなぜベストと断言できるかといえば、上記リンクのSoundcloudで全曲フルサイズ試聴できるからなのです(ひ〜、おそろしや!)。前作『Melodies』収録の「Thinking Of You」(ごぞんじシスター・スレッジの大名曲)をラヴァーズ・ロック風に料理し、知る人ぞ知る存在となったニュージーランド出身のサウンド・プロデューサー、LORD ECHO。レゲエを基調にディープハウスやブレイクビーツのエッセンスを絶妙に加えているのが彼のサウンドスタイル。今回のアルバムもその流れを踏襲する音なんですが(ジャケのデザインさえほぼ一緒)ファラオ・サンダースの『The Creator Has A Master Plan』をカヴァーするあたり、彼とは良いお友だちになれそうです。

ということで。まだ今年もひと月以上残ってるし、じっくり振り返れば他にもたくさんステキな音楽と出会ってきたはずなのですが、まあそれはそれとして。新しい年を迎えるにあたって、こうして少しでも”排泄”しておくことで、来るべき刺激のために、しっかりおなかを減らせておくのも悪いことじゃない。それではみなさん、よいOTOしを!