2012年4月2日の別海にて。散歩のつもりがとんでもない運動になりました。
2012年4月2日の別海にて。散歩のつもりで出かけたけど、とんでもない運動になりました。

 ここまで来るとべつせかい───こと北海道の別海町を初訪問したのは今からちょうど六年前。2009年3月末のことでした。
 緩やかな丘陵地にはたくさんの乳牛が放牧され、空にはオオワシやタンチョウヅルが舞い、車を走らせればエゾシカが顔を出し、海に行けば流氷にアザラシ、ホッキガイ。市街地にはマッチ箱のようなかわいらしい建物が整然と立ち並んでいる───四国育ちのぼくには見るものすべてが新しく、いっぺんで大好きになりました。(その時の記録がこれです)。
 以来、イヴェントのゲストとして何度か招いていただいたり、はたまた別海町内のレコードショップ&カフェ”PICKUP+oncafe“で、ぼくが作った本、CD、コラージュ作品などもずっと取り扱っていただいています。また別海在住のDJ & デザイナーの山本圭一くんにこれを制作してもらったりと、さまざまなかたちでぼくの活動をサポートしてもらってきました。
 以前は存在した北海道と松山間の直通便もいつの間にか無くなり、行き来が簡単にできる距離ではありませんが、心の距離はいつもご近所、という間柄なのです。

pickup
oncafe

 今年三月、両店舗がリニューアルしたのを機に、なにか新しいことを始められないか───PICKUP店主の奥山くんとディスカッションする中で生まれた企画が、この”19books”です。
 19books……読み方は”ジュークブックス”でも”ナインティーンブックス”でも構いませんが、お気付きの通り、ジュークボックスとかけたシャレですね(笑)。
 ぼくが選書した19冊の本がお店に設置された本箱のなかに入っていて、自由に読んでもらったり購入できたり……っていう至極単純なものなんですけど、ぼくが本箱をデザインし、このプロジェクトのために別海で特別に作ってもらったものなのです。

ぼくが描いたアイディアスケッチ。これを奥山くんにまず見てもらいました。
ぼくが最初に描いたアイディアスケッチ。これをまず奥山くんに見てもらいました。

そしてこれがもう少し手の込んだデザインのタイプC。
もう少し手の込んだデザインのタイプC。寸法は自宅の本棚を計りながらおおまかに計算。

 奥山くんにはできれば別海町のなかで調達した木材を使って、別海町の人に作ってもらえないか、というリクエストをしました。そこで彼が相談した相手が、別海町内にあるウルリー牧場の渡邉北斗さんでした。ウルリー牧場……現代アートに詳しい人ならピンとくるかもしれませんね。かの大竹伸朗さんが大学生の頃、約九ヶ月間にわたってバイトをし、2006年に東京都現代美術館と並行して個展を開催したあの牧場です。

大竹伸朗とウルリー牧場
http://www.aurens.or.jp/~HOLLYWOOD/column/200610.htm

左がウルリー牧場の渡邉北斗さん、右がPICKUP店主奥山くん。
左がウルリー牧場の渡邉北斗さん、右がpickup店主奥山くん。そして特注の19books用本箱。

 そこの若き跡取りである渡邉さんに奥山くんが声をかけ、大工仕事の得意な彼がぼくのスケッチをもとに、メールを送ってから十日も経たないうち、このステキな本箱を制作してくれたのです。
 くしくも大竹さんもぼくと同じ愛媛県内の宇和島在住。奥山くんがそこまで意識したかどうかは聞いていないけど、愛媛⇔別海というふたつの繋がりが活かされ、必然性のある偶然に満ちたわくわくするプロジェクトに育ってきたところです。

19books

 この19booksはまずPICKUP+oncafe店内でお披露目したあと、ご要望があれば、他のお店にも提供できるように考えています。昨今、良質な古書を安価で仕入れることが難しく、いただいたオーダーにどこまで応えられるかが問題なのですが(実際、最初の選書・仕入れさえ難航しているところ)打てば響くような仲間たちとなにかを作れるのは楽しいわけで。これからも進捗状況はここで報告していくのでお楽しみに。
 

MUSIC SHOP PICKUP+oncafe
北海道野付郡別海町別海旭町67-3
営業時間 : 11:00~19:00(冬季 11〜16時)
電話番号 : 0153-75-0813

北海道野付郡別海町別海旭町67-3