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Q. 点滴は点滴でも「飲む点滴」ってなぁーんだ?
 「森のバター」、「畑の肉」、「海のミルク」等々、一連の食品異名シリーズの中ではいちばんおっかない気配のする問題作。まぁ、身体に針刺してお注射される苦痛を考えたら、飲んで済むこっちのほうが良いのは確か。
 で、冒頭のクイズの正解は「A. 甘酒」でした。
 甘酒……いや、嫌いじゃないんですけれども、何かの行事で小さな紙コップとかでちょいと振る舞われるアレぐらいの量で十分っていうか、カップになみなみ注いでプハー! っていう感じまでは好きじゃないんです。なので正直、なかなか自分で買って、とはならない。そんなつかずはなれずな距離感で今まで過ごしてきました。
 そもそも、どうしてそうなったんだろう? って考えてみて、まず思い当たるのは、あの「アルコール臭」なんじゃないかと……分かってもらえるでしょうか?
 あの臭い。他で言うと、ビン詰めのウニなんかも同じです。ウニの特徴的な磯の香りより先に、とにかく前に前にしゃしゃり出てくるあの臭い。幼い頃はずっと「コレは本当に食べていい物なのかね?」って疑ってました。なんとなく、保健室だとか理科室を思い起こさせる臭い。それを子供が食べていいと思うわけがありません。大人になった僕が、アレを百歩譲って「お酒の香り」と捉えたとしても、焼酎慣れしてるせいなのか? あのテの香りはちょっと苦手なんです。
amazake そして運命の出会い……数年前に地区のお祭りで振る舞われていた竹をスパスパ切ったカップに入った甘酒はあの臭いが全然しなくて、そのあまりの美味しさに、振る舞いなのにもかかわらず思わずおかわりをねだってしまったほど。「竹のナチュラルな香りと、マイナスイオン的な何かがあの臭いを消してるのかしら?」と思って訊ねてみたら、酒粕は使わずに米麹を使ってるから、との事。
 なるほど、僕が躊躇してたあの臭いは酒粕由来だったのか! と、永年の悩みから一瞬で放たれた解放感でノンアルコールなのにほろ酔い気分。さらには、その甘酒は地元の味噌蔵で作られてるとの情報も入手。少々興奮状態のまま、直売所に立ち寄って買って帰りました。
 その後、ミズモトさんが弊所に来られた際にもウェルカムドリンクとして献上。僕と同じく甘酒があまり得意ではない(と話してたよな気がします……僕の勘違いかもしれないです)、あのミズモトさんも太鼓判。僕の中では新たな鹿児島名物誕生の瞬間でした。
 いつかJMVMで提供する時には、個人的にオススメしたい「冷やし」で。振る舞いの小さな紙コップじゃなく、レギュラーサイズの透明なカップに氷を浮かべて。この季節だったら、夏バテ気味なあなたに米麹の点滴を打ちたいです。って、パッケージの裏をよく見たら「夏場は冷やしてもおいしくいただけます」ってしっかり書いてありました。でも本当に、定番の温かい甘酒よりも甘さがキリッとして飲みやすいんです。
 それにしても……ひさしぶりに(初めて?)きちんと「商品」のご紹介をしたよな気がします。自分でもなんだかくすぐったいけれども、特に親戚とか知り合いとか親兄弟とかが作ってる甘酒じゃありませんので。むしろ、そういうのだったらどんなに幸せだったことか!

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ミズモト追記:ジュンくんが文中で書いているとおり、ぼくもあのツンとくるアルコール臭が苦手で、甘酒はあまり得意じゃありませんでした。しかし、抽出所で薦められるままに飲んだ(食べ物の好みだけはジュンくんを信頼しているので)あの甘酒には衝撃を受けました。ほんとにうまいです。今、すぐ、飲みたい。

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Suzunone Jun

Suzunone Jun

東洋のナポリ・鹿児島生まれ。同地でエスプレッソやコーヒーの抽出活動を行う鈴の音抽出所の所員。
http://instagram.com/suzunone_jun/
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