このたび熊本や大分を中心とする地域を襲った一連の大地震。
まだまだ収束する気配もなく、余震は、ほんとうにわずかながらですが、ぼくの住む四国の一部にも影響を与えています。
さまざまな報道をとおして、今回の地震のメカニズムについて理解するにつけ、この災害がいつ、どこにでも、また誰の住む場所にでも───つまりは、ぼくのいる足元でも、今すぐに起こりうることなのだ、と痛感しました。

長年イヴェントなどを通して知己を得た人たちが、熊本にはたくさん住んでいます。
まだ半年も経っていない昨年11月、書籍の発売記念ツアーの会場として、熊本市内にある”on the books“にお邪魔をして、たくさんのみなさんと楽しい時間を過ごしたばかりです。

木曜夜の地震(のちに”前震”と訂正された)の発生時は、いくらかでも不安を和らげることができたら……なんて軽い気分で安否確認のメッセージを熊本周辺、あるいは福岡や大分あたりに住んでいる友人たちへジョークまじりに送りました。
友人たちからもわりあいすぐに返事が届き、多少は笑いなども交えながら、短いやりとりをしました。
彼らのメールによれば「余震は怖いけれど、ライフラインもほぼ問題なく、自宅や仕事場への物的ダメージもそこまで深刻ではない」ということでした。

テレビニュースに、よく親しんでいる上通や下通界隈の様子が映しだされ、不安げに佇む人たちに混じって、スマートフォンを片手に、カメラへ向かってピースサインを送る酔客たちもチラホラ映っていました。
もちろん震源に近い阿蘇付近のエリアでは甚大な被害が発生していたのですが、その時点では、まだほとんどの人が詳細を把握できていなかったと思います。

4月16日の深夜1時半頃───。
けたたましい警戒アラームが鳴ったかと思うと、足元から部屋がぐらぐらと揺れました。
松山市内は震度4。ただ、その揺れのなかに、木曜の地震の際には感じなかった、不吉な知らせのようなものが含まれていることを瞬間的にさとりました。
マグニチュード7.3の激烈な”余震”(最初はマグニチュード7.1と伝えられ、のちに数値の訂正とともに”本震”とされた)が、友だちの住む街をふたたび襲ったことを感じ、ぼくは戦慄したのです。

SNSで彼らの発信を追いましたが、すぐには何もわかりません。
テレビでは、最初の地震の際に敷かれた報道体制によって、時々刻々と被災地の様子が詳細に伝えられていきます。
一時間ばかり画面を見つめていたでしょうか。しかし、ぼくの心はこの時点でシャットダウンしました。
このまま朝までニュースを見ていたとしても、彼らのチカラにはなにひとつなれないのだ……という無力感に襲われたのです。
ぼくはそのまま眠りにつき、目を覚まし、翌日も、翌々日も、予定していた外出をし、彼の地にいる友人たちに直接メッセージを入れることはあえてしませんでした。

そして週が明けて、今日18日。
ぼくのHPで2015年1月から連載を続けてくれている熊本のレコード店”PEANUTS RECORDS”の井手啓吾くんがフェイスブックにこんな投稿をしていました。
 

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何ができるだろう、どんなサポートができるだろう、もし自分なら何をしてほしいだろう……と、数日間グルグルと考え続けていただけのぼくでしたが、この短い投稿を目にして、頭のなかをやっと整理できた気がしました。
というよりも、ぼくの頭のなかだけで整理したり、ただちに解決できるような問題ではないんだ、とようやく割り切ることができた、と書いたほうが正しいかもしれません。

ひとまずぼくのできることは、営業再開した井手くんのお店をサポートすること。
彼がぼくのHPへ書いてくれた文章をもっとたくさんの人たちに読んでもらうこと。
彼の紹介するレコードに興味を持ってもらい、彼のお店でより多くの人に買い物をしてもらうこと。

被災したすべての人たちを救うことはできないし、被災したすべての友人たちを手助けすることも、ぼくにはできません。
だからまずは、ぼくのもっとも身近な熊本の友人である井手啓吾くんのことをサポートしようと思います。
彼や、彼の愛する奥さんや息子さんが一日も早く避難所での生活を切り上げ、元の暮らしに戻れるよう、ちょっとしたお手伝いをしたいのです。

もちろん井手くん本人にこのような記事を書くことは許可をもらっています。
ぼくがここで小さな呼びかけをしたところで、彼がパニックになるほど大量の注文が全国から殺到することにはならないでしょう。
ただ、「月並みだけど、なにかサポートできることがあれば言ってください」という、ほんとうに月並みすぎるぼくの言葉に対し、「いちばんは(ぼくと)いっしょに飲みにいきたい……ですが、それはまた次に会えるときまで取っておきます」と、こんな逆境でもあたたかい返事をかえしてくれた井手くんには、ほんとうにうれしい悲鳴をあげてもらいたいのです。

ということで、下のバナーをクリックしていただければ彼の執筆してくれた記事の一覧に飛ぶことができます。
 

deadstock
 

また彼のお店、PEANUTS RECORDSのトップページには下のバナーからジャンプできます。
 

peanuts

何卒、何卒、よろしくおねがいします。
ミズモトアキラ