Wes Anderson // Centered from kogonada on Vimeo.

Kubrick // One-Point Perspective from kogonada on Vimeo.

Tarantino // From Below from kogonada on Vimeo.

ウェス・アンダーソン/スタンリー・キューブリック/クエンティン・タランティーノという三人の監督がそれぞれに拘りを持つ画角を、各作品の中からピックアップし、絶妙に再編集した映像です。作者はイギリス在住の韓国人映像作家。

たしかにウェス・アンダーソンはシンメトリー(CENTERED)、キューブリックは一点透視図法(ONE-POINT PERSPECTIVE)、タランティーノは下から見上げる目線(FROM BELOW)を作中で多用します。あらためて見ると、ウェスやキューブリックの映像は単にシンメトリーだからカッコいい、もしくは一点透視図法だからスタイリッシュだ、あるいは流行ってるからパンケーキ───といった単純な話ではなく、対称を形作る物体や人物の配置、周囲にある余白とのバランス、カメラの移動スピード、背景の装飾、役者の衣装や表情など、多岐にわたる演出の妙で成立していることがよくわかります。

一方、タランティーノの”FROM BELOW”の視点というのは───恥ずかしながら今回はじめて気づいたのですが、映像スタイルとしての好みというよりも、彼が書くストーリーの中で、しばしば登場人物が陥るシチュエーションに関連付ける事が可能でしょう。つまり下から相手を見上げる状況というのは、地面に倒れている/床下や物陰に隠れている/恐怖で身を縮こまらせている、といった具合に、だいたいが窮地に陥っているシチュエーション。タランティーノ映画の主人公たちは、一旦そういうピンチに陥りつつも、そこから見事に復活して相手を叩きのめす話が多いですよね。あともうひとつは劇場で映画を見ている自分を想像してもらえればわかると思うのですが、ぼくはわりあい前方のシートが好きなので、スクリーンはだいたい見上げてるんですよね。その目線とタランティーノの見上げる視点というのはまったく同じなのです(要するにスクリーンの中の人物から見下されている)。タランティーノだって、どう考えても最後尾で冷静に作品を見ているようなタイプじゃないから、きっとそういう刷り込みも影響しているんじゃないかな。

小津さんヴァージョン(画面の中を通り過ぎて行く人々、それを例の低い目線から眺めるようなシーン集”Passageways”。マニアック!)もすでにこの人が作っているのですが、画角ってことになるとかなり幅が狭くなるかもしれないけど、他にもこういうカメクセ(カメラのクセ)がある監督っていそうですよね。もっともっと見てみたい。