bepeanuts

2015年もあと少しで終わってしまいます。今年の流行語大賞は「同情するならカネをくれ」や「IT革命」を抑えて、ずばり「パクり」になるだろうと、アラフォー世代のハニカミ王子こと僕は予想しています。

この「パクり」問題、他人事ではなくて、僕もいつ鬼女の調査能力で暴かれまとめサイトに掲載され炎上してしまうかと、不安で夜も眠れません。なので、この場をお借りして先に謝罪しておこうと思います。

まずはよくレコードのコメントにつける「一家に一枚!」もしくは「一家に一枚盤」という言葉。これはパクったというよりも、いろんなディスクレビューなど読んでいるうちに自然と身についていた感じなので、あまり罪悪感はありません。実際は『およげ! たいやきくん』や宇多田ヒカルの『FIRST LOVE』など国民的ヒット曲でも、一家に一枚には遠く及ばぬレベルですからね。まあそれくらいポピュラリティーがあり、内容が素晴らしいということが言いたいんでしょう。

同じようにいつの間にやら自覚なくパクっていた性質の悪いパターンに「meets(ミーツ)」や「出会い」ってのがあります。例えば「ギターポップmeetsヒップホップ」や「STONE ROSESとDE LA SOULの出会い」のように使います。

パクリの被害者(?)として日本のニュースでも紹介され、有名になったアメリカ人デザイナーのジェフ・マクフェトリッジさんが、荷物を送るダンボールに描 いてくれたステンシルによるグラフィック。PEANUTS RECORDS店内に飾っていますので、ご来店の際にチェックしてみてください。
パクリの被害者(?)として日本のニュースでも紹介され、有名になったアメリカ人デザイナーのジェフ・マクフェトリッジさんが、荷物を送るダンボールに描 いてくれたステンシルによるグラフィック。PEANUTS RECORDS店内に飾っていますので、ご来店の際にチェックしてみてください。
話はちょっと逸れますが、10年以上前、mixi黎明期に「カレーうどん」のコミュニティに参加していました。その説明欄にコミュの管理人さんが「カレーとうどんが足し算ではなく掛け算になる魔法を僕は信じる」と書いていて、なんてセンスのある人がいるんだと憧れていました。だから「meets」や「出会い」も、足し算ではなく掛け算になっていて、音楽に魔法がかかっているんだよ、という意味合いを込めながら使っています。

これまでの二つはパクり元のはっきりしないグレーゾーンでしたが、最後のひとつは言い逃れのしようもありません。それは今から18年前の1997年のこと。僕もまだ20代前半でした。大阪心斎橋のレコード屋巡りをしていて、はじめておじゃましたO-LEVELでの出来事です。現在はウェブショップのみになっていますが、その当時は店舗もありUS/UKを中心としたインディーミュージックをはじめミクスチャーやハードコアのレコードが大量に置いてありました。その頃は雑誌の広告を見ながらお店に電話をかけて通販していたので、実物を見られるだけでもテンションが上がり、買いまくりました。人気のあるものは1つのタイトルで何十枚もストックが置いてあるような7インチの棚があり、その中でも一番プッシュしているアイテムには、なんと「DIE OR BUY!!!!!」と書いた大きなポップが貼り付けてありました。それまでそんなパンチの効いたコメントを見たことがなかったので、一瞬怯みましたが、もちろん死ぬよりは買っておいたほうがいいと思い直し、そのイチオシの7インチもゲットしました。そしてその頃はレコード屋になる予定なんて全くありませんでしたが、いつかこの「DIE OR BUY!!!!!」をどこかで使おうと心に誓いました。ちなみに、その時の「DIE OR BUY!!!!!」で買ったレコードはPUSH KINGSの『BLOWIN’ UP』とSUPERCHUNKの『WATERY HANDS』の7インチで、どちらも18年経った今では自分内クラシックと化しているので、ホントに買ってよかったです。

と、ここまで書いてよくよく考えてみると、いつか使おうと思っていた「DIE OR BUY!!!!!」ですが、実際に使ったことはまだありませんでした。ツイッターで「コメント考えるの面倒くさいな。もう全部DIE OR BUYにしたいよ」とつぶやいたことくらいはありますが、コメントにより売り上げが発生するような場面では一度もありません。ああ、よかった。結局パクりは証明されなかったので、きっと炎上することはないでしょう。このコラム全然面白くないぞ、と炎上する可能性は捨てきれませんが。

で、今年の「パクり」を流行らせた人についてですが、本人も実はいつかバレてしまうとわかっていながら、そのスリルを味わっていたのではないかと思っています。だって素人目に見てもあまりにも稚拙な仕事が多いんですもの。これがバレたら自分は破滅をしてしまう、というバッドエンドを想像して性的興奮を覚えていたのではないかと。地位あるお堅い仕事をしている人が痴漢で捕まってしまうようなノリで。もっと言えば、いつまでも同じことを繰り返してしまうマーシー的な感じで。というのが、今年を代表する話題に対する、パクりではないオリジナリティー溢れる僕の妄想です。

pale

PALE FOUNTAINS / LONGSHOT FOR YOUR LOVE [LP]
一家に一枚盤!

XOXO

MISS TK AND THE REVENGE / XOXO [LP]
JUNIOR SENIORとCHICKS ON SPEEDの出会い!

ana

 
*ピーナッツ・レコードの穴 VOL.10で紹介したレコードは全て特別価格で提供しておりますので、この機会に是非ご注文ください。いつ通常価格に戻るかは僕にもレコードにもわかりませんので、あらかじめご了承ください。

Keigo Ide

Keigo Ide

昭和48年6月27日、熊本生まれ熊本育ちのO型。
中古レコード店"PEANUTS RECORDS"オーナー。いろいろな音楽が好きですが、最近は一回りしてまたギターポップばかり聴いています。子煩悩。スニーカー好き。
Keigo Ide