(写真:山本圭一)
(写真:山本圭一)

北海道の道東エリアにある二つのお店でスタートした新しいプロジェクト”19books“。最初に制作した本棚のうちのひとつが、中標津のセレクトショップRANGE LIFEにも設置されました。オーナーの半田尊さんにもお店を始めたいきさつや、DJとしての活動、もちろん今回の”19books“を展開する意義などについて、話を聞きます。(ミズモト)

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 ぼくは1975年7月15日生まれで、現在39歳です。 高校は地元にある別海高校───先日、奥山さんのテキストにも登場したHOLLYWOODメンバーの清野先生は卒業後に赴任してきたので、ぼくの高校時代とは被っていません。
 高校三年の時、奥山さんが別海に戻ってきました。それ以来、学校の帰り道には毎日のようにぴっくあっぷ(当時はこういう表記でした)へ通う日々となりました。
 今のように音楽へどっぷりハマるようになったきっかけの一つで、たしか高校二年か三年の時だったと思うのですが、テレビの衛星放送で『ロック映像年鑑』を24時間ぶっ続けで放映していた日がありました。それを全部ビデオに録画し、毎日のように繰り返し見て、そこから音楽漬けの日々が現在まで続きます。

 1994年4月、札幌にある服飾の専門学校へ入学し、卒業後の1997年、アニエスベーに就職しました。札幌店に勤務していたのですが、初給料で買ったのが当時発売になったばかりの、パイオニアの初代CDJ「CDJ30」。
 札幌の友人たちと”SHABBY MAN WALKS A SHABBY DOG”というロックを中心としたパーティーをスタートし、約七年間続けました。
 ファストフードも無いような田舎で育ったぼくは、先輩に札幌でなかば無理やりクラブに連れて行かれたのですが、徐々に踊ることの楽しさを知り、『自分の好きな音楽で踊りたい』という欲求も出てきたのだと思います。 当時、札幌ではパンクのイベントはありましたけど、インディロックのかかるイベントはほとんど無かったような気がします。ただ、ぼくらがイベントを立ち上げたのと同時期に、三つくらいインディ系のイベントが出てたんですけど。
 帰省した時、札幌での体験を奥山さんの家で熱く語り、別海でもそんなイベントをやりたいと盛り上がったところから、HOLLYWOODが立ち上がりました。主に奥山さんと清野先生が動いてくれて、無事に開催できたんですが、初回でぼくがスピーカーを飛ばし、それでパーティがお開きになったのは今や伝説です(笑)。
 その後、2004年に転職して、札幌の服飾の卸メーカーに三年ほど勤務したのち、中標津でレンジライフを立ち上げました。

(写真:山本圭一)
(写真:山本圭一)

 ぼくの店、レンジライフは北海道の中標津という街にあります。2007年5月にオープンしたので今年が開店九年目です。洋服が七割、雑貨三割という商品構成の、田舎の洋品店&生活雑貨店です。
 レンジライフにはそれほど明確なコンセプトはありません。ただ、自国生産……日本のモノなら日本生産、アメリカのモノならアメリカ生産のモノを多く取り扱っています(100%ではないですが)。
 みなさんもごぞんじのように、道東はかなりの田舎です。ドレスコードのある場所はほとんどありません。スーツを着て仕事をしているお客さまさえかなり少数です。そんな場所にお店を構えるのですから、流行やブームといったものからは、ある程度距離を置こうと考えました。それは今でも変わりません。靴下に穴があいたとき、あそこに良い靴下があるので買いに行こうかな……といったようなスタンスでお客さまが思い出してくれたら、それが一番だなって思います。
 先ほど言いましたが、あくまで田舎の洋品店&生活雑貨店でありたい……と思っていて、10年後も今のレンジライフの印象を保ったまま、中標津の生活に根差したお店でありたいと考えています。

(写真:山本圭一)
(写真:山本圭一)

 19Booksの存在がレンジライフにとって”当たり前”という認識を、より多くのお客さまに感じていただければいいですよね。
 oncafeさんもそうだと思いますが、田舎にあるお店には来てくださるお客さまの層が、かなり幅が広いんです。
 ぼくが札幌で働いていた時は、お店の側が来店してくださるお客さまの層を勝手に絞ったりしていました。でも田舎だと予想もしなかった方がブラっと寄ってくださって、いろんなお話ができます。たまにおじいちゃん、おばあちゃん世代の方が来て、昔の知恵を教えてくれたり。店でたまにイベントなどをしたときも、本当にいろんな種類の方々が来てくれます。
 楽しいことって、世代に関係なく楽しむことを共有できるはずなのに、お店だけでなく、イベントなんかでも主催者側が勝手にお客様の層を決めているような気がするのは、とても残念な気がします。
 レンジライフに来てくださる、いろんなタイプの方とのコミュニケーションツールとして19Booksがあればいいと思ってます。また、新しい発見の場になれば最高です。またさまざまな町の個人店に広がっていったら素敵だなと思います。
 お客さまだけでなく、カフェ、ファッション、音楽、ライフスタイルショップ……など、お店の側も田舎に行けば行くほど距離があって、バラバラなので、この19booksというプロジェクトをきっかけに距離が縮まっていくようにしていきたいです。

<メールでのインタビュー回答を元に再構成しました>

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RANGE LIFE
北海道標津郡中標津町東5条南1丁目1番地 2F 
営業時間 : 11:00~19:00
電話番号 : 0153-73-4173

北海道標津郡中標津町東5条南1丁目1番地

  

Takashi Handa

Takashi Handa

昭和50年7月15日生まれ。RANGE LIFE店主。洋服よりも音楽好き。目が悪く中学生から眼鏡生活、バディ・ホリー、デビッド・ホックニー、エルビス・コステロ、グレアム・コクソンに憧れ……風な眼鏡をかけるも、どんな眼鏡をかけても昭和初期の書生風貌。
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